会員インタビュー［東邦フイルム株式会社代表取締役社長　三谷郁彦］

INTERVIEW会員インタビュー

徳島県倫理法人会副会長
東邦フイルム株式会社代表取締役社長三谷郁彦

母の死が人生の分岐点に: 学生時代からヤンチャ坊主で、ずっと我が儘に生きてきた僕の考え方を変えたのは、母の死でした。力仕事で曲がった指で父とともに朝から晩まで働き、会社経営を切り盛りしてきた母は、これからやっと好きなことができるはずの62歳という年齢で亡くなってしまった。そこで初めて「生きるとは何か」を見つめ直し、自分が周りの役にどう立てるのかを考えはじめたのです。知的障がい者を対象とした〝スペシャルオリンピックス〟の運営に携わったり、倫理法人会に入会させていただいたりしたのも同じ頃でした。
利他の心を養いながら: 倫理法人会に入会してから約22年が経ちますが、倫理の教えや著名な先人の経営哲学を自分の中に取り入れることで、会社の雰囲気が大きく変わりました。何よりも大きく変わったのは、自分自身の言動です。以前は社員に対しても上から目線で「なぜこんなことが分からないのか」と考えることが多々ありましたが、倫理法人会の活動を通じて自分を正し続けることで、無意識のうちに人の気持ちを考えられるようになったのです。「こっちに行くぞ！」と社員を無理に巻き込まなくても、それぞれが会社の方向性や、より良いやり方を考えながら取り組むようになりました。コロナ禍で残業や設備投資も控えなければならない中、今年の決算で過去最高益を記録したのも、自分自身や社員一人ひとりの成長と無関係ではないと思います。
すべての話に価値を見出す: 経営者にはそれぞれに葛藤や成功体験があり、倫理法人会ではそういった多様性のある方々と交わることができます。入会後は、セミナーや講演会で多くの方々の話を聞く機会に恵まれますが、ぜひ実践していただきたいのが、それぞれの話を素直な気持ちに聞いてみること。興味がないとか関係がないと決めつけず「こんな考え方もあるんだ」という心構えで耳を傾けてみてください。いつかきっと、自分や会社を成長させるためのヒントとして思い出される日が来るはずです。